ガントチャート型の工程管理から、全体マイルストーンと定例ミーティングを軸に据えたプロジェクトマネジメントへ。
今回ご紹介するのは、「SuperGoodMeetings」の開発パートナーでもあるユニバ株式会社です。同社では、開発チーム外のプロジェクトでも「SuperGoodMeetings」の導入を開始し、プロジェクトマネジメントの方法をアップデートされています。
日々さまざまなプロジェクトを手掛けるメンバーのみなさんは、SuperGoodMeetings を導入して仕事の仕方がどのように変化したのか。エンジニアのお二人に詳しくお話をうかがいました。
ユニバ株式会社(2003年設立/社員数:23名)
「さわれるインターネット——"Embodied Virtuality"」をキーワードに、ソフトウェアとネットワークの新しい可能性を形づくるプロジェクトを手掛けているユニバさん。さまざまなウェブアプリケーションやインスタレーションのプランニング、デザインや、デバイスの開発などに多数携わっています。
【課題】これまで起きていたこと
- プロジェクト管理のルールは特に決まっておらず、各人それぞれが異なるツールやフォーマットを使用していた。
- さまざまな工程が発生するプロジェクトでは、ガントチャートを用いた進捗管理を行っていた。
【成果】SuperGoodMeetings 導入後の変化
- ツールを導入したことで、プロジェクト管理の仕方やミーティングのアジェンダ設定、進め方などの共通認識が生まれ、業務を標準化することができた。
- 全体マイルストーン把握+定例ミーティング実施による管理方法が共有され、プロジェクトの進行がスムーズになった。
▲今回インタビューに答えてくださったのは、河合伶さん(左)と安井貴啓さん(右)。二人ともエンジニアとして、さまざまなプロジェクトの開発を手掛けています。
まずはミーティングのアジェンダ管理から使用開始
—— ユニバさんは、他でもない「SuperGoodMeetings(以下、SGMs)」の開発をご一緒していただいた会社ですが、河合さんと安井さんはプロジェクトメンバーではないんですよね。お二人が本格的に SGMs を使いはじめたのはいつ頃ですか?
河合さん(以下、敬称略):開発中の様子は社内で見ていましたが、実際に、完成したツールを進行中のプロジェクトに導入し始めたのは、2020 年の 4 月ごろからですね。順次色々なプロジェクトに導入していって、このプロジェクトでも 2020 年 7 月頃から。お客さまも含め、主に 5 人ほどで使いはじめました。
安井さん(以下、敬称略):コパイロツトの定金さん(当社共同創業者)がユニバの社員に向けて「Project Sprint*」のレクチャーをしてくれたのをきっかけに、そのとき自分たちが手掛けていた、AR のアプリケーション開発プロジェクトで使ってみることにしたんです。
*Project Sprint:多様性のあるメンバーによる部門/組織横断のチームが、不確実性の高い環境・状況で、複雑なアウトプットを行うことを可能にするプロジェクト推進メソッド。
—— プロジェクト管理ツールとして導入するにあたり、戸惑われたことや、難しかったことはありませんでしたか?
河合:それは特になかったですね。すべての機能をはじめから使いこなせたわけではありませんが、まずはすぐに使える部分、ミーティングのアジェンダ管理から使い始めました。お客さま側も、スムーズに受け入れてくださいましたよ。
アジェンダ・議事録作成の仕事が標準化。時間のムダも削減
—— 導入前と後で、変化したことを教えてください。
河合:大きく変わったのは、プロジェクト管理の仕方やミーテイングの進め方が標準化されたことだと思います。これまではメンバーそれぞれが GoogleDocment や Dropbox などを使っていて、決まったツールやフォーマットが定められていませんでした。
SGMs を導入してからは「これを見ながら会議をする」という共通理解が生まれたので、アジェンダや議事録の作成が自然と同じツール上で行われるようになりつつあります。
安井:アジェンダや議事録の作り方自体は新人教育で教えられることだとは思うのですが、それを全員が業務内で実践できるかというと、なかなか難しいところがありました。
でもフォーマット化されたツールがあれば「この項目を埋めればいいんだな」と誰でも理解できます。人によって業務の差が出なくなるので、ありがたいですね。
—— SGMs 上にはたくさんの項目がありますが、特に意識して使っている部分はありますか?
安井:「時間」の入力でしょうか。ミーティングのアジェンダを作成するとき、それぞれの項目にどのくらいの時間を割くか、できるだけ厳密に入れています。
時間を入力しておけば、参加者全員がどの程度の話なのかすぐわかるんですよね。数分であればライトな話、長い時間が設定されていればしっかり議論が必要な話……というように。
河合:事前に全員が時間を意識することで、ミーティングの密度も上がったと思います。ムダに長くなることもなく、議論する項目が抜けることもなく、タイムマネジメントがやりやすくなりましたね。
ミーティングベースで進むプロジェクト。進行がよりスムーズに
—— お二人は「Project Sprint」のレクチャーを受けてから SGMs を使いはじめていらっしゃいますが、プロジェクト管理の方法については、何か新しい発見などはありましたか?
安井:SGMs は、全体のマイルストーン把握と定例ミーティングの実施を、プロジェクト管理の主軸に置いていますよね。一般的な制作・開発業務の管理手法としては「ガントチャート」による工程管理があると思いますが、それとは考え方が大きく異なるところでしょうか。
河合:ガントチャートによる管理は「デザインはいつまで」「開発はいつまで」と、工程ごとに締め切りが設けられていますが、そうではなく「この定例ミーティングまでにこれがここまで仕上がる」という把握の仕方になり、すべてミーティングベースでプロジェクトが進んでいきます。
今まで、個々人が全体の流れを気にしていることはあっても、それをプロジェクトメンバー全員で共有することはありませんでした。
安井:ミーティングの時間に成果物を確認し、議論すべきことを話して、それを受けて次のタスクが決まる。メンバーが納得したミーティングができると、プロジェクト全体の進行もスムーズになる——それが SGMs を導入していちばん変わった部分だと思います。
SGMs が果たしている役割を大事に
—— 最後に、半年間 SGMs を使ってきた中で感じている改善点や、今後期待することを教えてください。
河合:個人的には、プロジェクトにおけるメンバーのロール(役割)を記録できるといいなと思っています。プロジェクトに参加している人たちが、それぞれどんなロールを持っているのか。「自分はここをやります、ここはやりません」というのが、明確にわかるといいのではないか、と。
安井:細かいところですが、Google カレンダーとの連携ができるようになると、定例ミーティングの日程調整がやりやすくなるのではないかと思います。
河合:ただ、機能をどこまで拡張するかは難しい判断ですよね。私たちも、タスク管理や、その他の開発で使用するツールは別のものを使っていますし。現状、SGMs が核として担っている役割と競合するツールはないと思いますので、周辺機能を網羅する必要性はないかもしれません。
—— ありがとうございます。今回お話をうかがって、普段からさまざまなツールや Web サービスを併用しているエンジニアさんの仕事と、SGMs の親和性の高さを感じました。
安井:そうですね。マイルストーンの考え方も、もともと理解していたことと大きな差はありませんでした。
河合:私も、導入して戸惑うことはほとんどなかったです。エンジニアなら、スムーズに使いこなせるのではないでしょうか。